突然ですが、先日ドハマリした原作・三宅乱丈先生の『pet』のアニメ。
アニメ自体は2020年に放映されたもので、タイミングによってはAmazonプライム・ビデオやABEMAで無料視聴することができます。
これが面白いのなんのって! ハマりすぎて、怒涛の勢いで原作も取り寄せ、昨日読了いたしました。加筆版のリマスターエディションです✨
で、原作を読んでみると、また違った発見もたくさんあり。
今回は原作を読んだ感想と、アニメ版との比較を中心に、筆の赴くままに語っていきたいと思います。
※あ、普通にネタバレしてます。
アニメ版と原作の比較
キャラクターデザイン
個人的には、あれはあれで大好きです!
特に、司とヒロキがケンジの深層心理に潜るシーンは、現実での2人をかなりエロティックに描いていて、耽美な魅力がありました。
個人的には良さを感じたものの、このあたりは難しいところで、アニメ版のキャラクターデザインが、アニメ視聴者にとって作品をネガティブな意味でBL的なものとして受け取られることにつながってしまった側面もあったのかな、と思ったりします。
(当時の視聴者のツイートを見ていると、「BL?」とか、そういうツイートも多くて、ここで離脱した人も多そうだった)
ちなみに、アニメ『pet』を視聴しているときに夫が部屋に入ってきて、「何このアニメ……??」と訝しげにしていました💦
BLアニメではないぞ。
一方で、原作の絵柄を忠実に再現したら、今度は新規の視聴者をどこまで獲得できたのか、という問題もあるわけで……。
原作の魅力をそのまま映像に落とし込むのか、アニメという媒体に合わせて新しい表現を模索するのか。
どちらが正解というわけでもなく、なかなか難しいところだなと思いました。
構成――原作の流れのほうが理解しやすかった
アニメ版は、全体として原作のストーリーを非常に忠実に再現しています。
ただし、細かい構成には違いがあり、例えばアニメ第3話の乾のエピソードはオリジナルの展開です。
個人的には、アニメ第1話、第2話の求心力がものすごかったんですよね。
作品の世界観や人物の関係性がまだ完全には見えていない段階なのに、壮絶なタニの描写と、とにかく美しいヤマの描写に引き込まれました。あの不穏さと先の読めなさがたまらない。
ところが、第3話あたりから中華マフィアが登場して一気に話が複雑になり、個人的には少し混乱してしまいました。
原作を読んでみると、物語の流れはこちらのほうが理解しやすかったです。
……とはいえ、原作を読んでも組織間の関係性はやっぱりよくわからないところがあるのですが(笑)。
このあたりは、誰が誰を利用しているのか、誰が何を知っているのか、そしてそれぞれが何を望んでいるのかが入り組んでいて、一度読んだだけでは整理しきれない部分もあります。
だからこそ、何度も読み返して考えたくなる作品なのかもしれません。
しかしながら、あの熱量の原作を1クールに落とし込んで、ほぼ忠実に再現したことに強いリスペクトを感じました!
アニメはアニメですごすぎる。
セリフ回し――原作はさらに切れ味がすごい
アニメ版もセリフ回しのセンスが非常によかったのですが、原作はさらにすごい。
アニメでは表現上の制約もあるのか、原作のほうが踏み込んだ言葉や、よりストレートな表現が印象に残ります。
そのため、アニメではふんわりした表現になっていて、「このキャラはどう考えていたのだろう?」と思っていた点なども、原作を読むと少し理解しやすかったです。
(アニメ冒頭で桂木と悟が車内で話していて、悟のコーラを灰皿代わりにするシーンとか)
これはアニメでもありましたが、桂木の(また桂木!)「ほー、目を細めてみると光ってのはずいぶん長くのびるもんだな……」のセリフとか最高じゃないですか?
あなた、昔レンレンと光の中でいちゃついてたんですよ! 思い出して!!😭
キャラの印象の違い
前述したとおり、アニメは原作を非常に忠実に再現しています。
素直でピュアなヒロキ、冷静に見えるけど歪んでいる司、ぱっと見は普通だけど落ち着いている悟。
でも、原作だとヒロキ以外の2人に関しては、司は若干人間味を感じ、悟は詳細なモノローグでさらに悟の持つ凄さを感じました。悟、賢すぎる!
同じ林さんの弟子なのにここまで差がついてしまったのがこれまた悲しい……。
原作を読んだけどまだ知りたい!
そして原作、アニメともに観て気になったのが、第1部で描かれる人物たちの関係性です。
第3部については『fish』で読める部分もありますが、個人的には、まず省略された第1部をもっと読みたかった!
林と桂木の関係について、レンレンについて、気功術師について……。
知りたいことが多すぎる!
もちろん、作中で描かれている情報から想像を膨らませる楽しさもあります。でも、それぞれの人物がどんな経緯で今の関係に至ったのか、もう少し詳しく知りたいんですよ~~~。
特に林と桂木。
この2人については、もっといろいろ教えてください……。
レンレン編では2人はそれなりに仲が良さそうなのに、現在では完全に林の道具にされているのが悲しすぎる😭
もしかすると、『fish』でも少し描かれるのでしょうか?
一部キャラの描写について、障害児の親の立場として感じたこと
これはあまり見かけない感想かもしれませんが、作中で意思疎通が難しいと言われたヤマ分け前の悟、現実でのメイリン、レンレンの描写には、ハンディキャップのある人々を思わせるようなリアリティーを感じました。
特にメイリンはうちの娘の様子に似すぎていて……😣
もちろん、作品内の設定や人物の事情を、そのまま現実の何かに当てはめられるわけではありません。
それでも、周囲からの理解を得にくかったり、本人の内面と外から見える姿が一致しなかったりする人物たちの描かれ方には、妙に生々しいものがあるんですよね。
そして、印象的なのは、彼らがただ一方的に描かれているわけではないこと。
それぞれに理解者がいたり、本人を理解しようとする存在がいたりする。
そこに救いを感じました。
何気に、作者の三宅乱丈先生は、こうした方々について、かなり深い理解を持っている方なのではないか……と密かに思っています。
作品中で、彼らに対する作者の温かい眼差しを感じました。
もちろん、これはあくまで私個人の読み取りです。
ただ、登場人物の複雑さを単純化せず、それでも彼らの中にある人間らしさを丁寧に描いているところが、『pet』という作品の大きな魅力なのだと思います。
『pet』は本当に名作だった
2020年のアニメ版も本当に素晴らしかったのですが、原作を読んで改めて、この作品の奥深さを実感しました。
人の記憶や精神を扱う独特の設定。
一筋縄ではいかない人間関係。
善悪だけでは割り切れない登場人物たち。
そして、何よりも強烈なキャラクターの魅力。
いろいろな要素が絡み合っているのに、単なる難解な作品では終わらない。人物たちの感情や関係性が、読んだあともずっと心に残ります。
『pet』と『fish』をまとめて映画化してほしい
これはもう、声を大にして言いたい。
『pet』と『fish』をまとめて、改めて映画化してくれませんか???
実写化でも良いです✨
令和の『AKIRA』、」アニメ界の『VIVANT』になれるポテンシャル、余裕であると思うんですよ。
もちろん、単純に長い物語を映画にまとめればいいという話ではありません。でも、この世界観と人物描写は映像表現との相性が抜群だと思うし、今の時代に改めて映像化されるところを見てみたい。
2020年のアニメ版が素晴らしかったからこそ、別の形で再構成された『pet』と『fish』も見てみたいんです。
そして、もっと多くの人にこの作品を知ってほしい。
全人類が観るべきだし、読むべき!
原作を読んで、改めてそう思いました。
そして最後に桂木。
で、ですね!最後に。
桂木~~~~~!!!
桂木桂木~~~~~!!!
アニメを観たときにも思ったけれど、なんてメロい男なんだ……。
生まれも複雑で家庭の居場所もなく、おまけに猫屋敷で性被害を受けたりと散々な目にあったのに優しさを忘れない男😭
桂木という男、ここ数十年の個人的読了漫画の中でNo.1メロ男に認定します。おめでとうございます!
というわけで、このテンションで『fish』も読もうと思います。
拙い感想文ですが(でも情熱はある!)、読んでいただきありがとうございました😸
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